SILVERBUTTERFLY

「ほら、ここだよ」
今まで見た部屋の中で、一番立派なドアの前で、優はそう言った。
「ありがと、助かったよ」
「役に立てて良かった、何かあったらいつでも声掛けてね」
優は、ニコッと微笑みながらそう言うと、手を振りながら、もと来た道を歩いて行った。


結局、知り合いって誰だ…?結構大事な事なのにやっぱり知らされなかった…ま、良いか。
トントン、ドアをノックしてソッと開ける。
それと同時に
「どうぞ」
と言う声が聞こえた。
部屋に入りながら、
「失礼します」
と言うと、部屋に居た人物がいきなり「麗~」と叫びながら突進…抱きついて来た。
...ので、私はサッと身をかわして避けた。
「10年って早いなぁ、まぁ昔は龍兄って自分から来てくれたのに…10年たって冷めたか?麗」
「龍兄…もしかして龍也兄さん……?」
「ああ、……逢いたかったぞ――――!!!!麗!!!また綺麗になったなぁ、流石が麗!!!俺の麗!!!理事長になって良かった~!!」
何を意味分かんない事を連発してんだ、この男は…
あ、ちなみにこの男は私の従兄弟、
楠龍也(Kusunoki.Ryouya)さっきも言ったけど私の従兄弟、
歳は32歳、だけど見た目は20代前半、物凄く若い、世で言うイケメンとやら。
私の前の黒蝶総長で"十四代総長"通り名は『金龍』だった。
そう言えば、昔は派手な金髪だったのに、落ち着いた茶色になってる。
ん?そう言えばさっきの言葉の中に理事長とか何とか…
「龍兄が…理事長?」
「ああ、そうだ」
得意げに微笑む龍兄。
「え゛あ、ありえない…日本の教育界は教育を捨てたのか?」
「失礼だな、コラ」
「いや、正常な反応だから…」
「お前なぁ…引退した後、苦手なお勉強という物を頑張ったんだよ」
「苦手って言うよりは嫌いが正しいんじゃない?」
「言うなぁ…」
苦笑いのまま、龍兄は中央にあるの豪く高そうな一人ソファに座った。
そして、自分の前のソファを指差し、
「ほら座んな」
と言った。