「誠二郎先輩!これ、よかったら食べてくださいっ」


昼休み、ベタなクッキーを渡す3人組の女。


「どーも」


笑顔を見せるわけでもなく、あたしの大嫌いなアイツがそれを受け取った。


「キャーッ」


「や、野球がんばってください!」


ちょっと外見がいいだけで、何がいいのかあたしには謎!


それに……あたしは知ってるの。

あの男、もらったプレゼントをいつも誰かにあげてる。


ずーっと見てるわけではないから100%ではないけど、智が憧れてるって知ってからは勝手に視界に入ってたから分かる。


どう考えても最低じゃんね。

それに気付いてから、大嫌い度数が格段に増した。


……でも、ビンタはやり過ぎたよねー……。