彼女に会ったから……だろうか。



また、貴女を思い出しました。


俺、未練たらしいみたいですよ。

あの時……貴方に振られたのに、ね。


もし次会えたら……。


その時は抱きしめて、

『愛してる』

そう言ってもいいですか?


あの時、言えなかった言葉を。


『もう2度と会わない』

貴方はそう言ったから。


だから。
もし……。
もし会えたら。

その時は、この行き場のない想いを。


せめて……言葉にさせて下さい。



はぁー……、会いたいな。

テラスから晴天の空を見ながら思い出す。


「ジュースはいかがですか?」


運ばれて来た飲み物を手に取った瞬間、懐かしい香水の香りがした。

甘く優しく、でもどこか優雅な香りが俺の鼻孔を霞める。


街中ですら、擦れ違うと振り返ってまで確認してしまう。

……この香りは、貴方を思い出させるから。


このお姉さんも、同じ香水を使ってるんだな。