火照って、のぼせて、気絶するまで



「弄ばれてますね、私」


膝立ちで、彼に覆い被さるように抱きつく。いっそ、胸に埋もれて窒息死してしまえと、ぎゅーっとしてみた。


「ないない。ぞっこんなだけだよ、君に」


「バカっぽい言葉」


胸を吸う彼が子供みたいだからこそ言えたこと。けれども彼には私の心音が聞こえたか、余裕綽々な笑みでこちらを見てくる。


「また気絶しちゃうかな」


「ほどほどにして下さいよ」


とか言っても結末は見えている。


他ならぬ私が、そうなってほしいだなんて――ああ。


「ぞっこんって、言いたくなりますね」


バカっぽい言葉。
なのに、バカに出来ないほど愛している。


ハマっていくんだ、ずぶずぶと。