ローズマリーの匂いが漂う浴室。 深さはあっても、少し狭いバスタブは、無論のことながら一人用。 「水分補給万全だから、今日も一緒に長湯できるね」 だというのに、臆面もなく浴槽に――私の前に座るこの人を殴っていいだろうか、神様よ。 ざばぁ、と溢れ出るお湯は乳白色。もったいないなぁ、という私の気持ちすら、この人は考え付かないんだろう。