君に出会わなければ…







「後藤さんはどこ?」



下に降りてすぐのところに立っていたお手伝いさんに聞いた。




「夕食の片付けをしております。」




「すぐに呼んできて。」




いつもと違う私の様子に、お手伝いさんは怯えたようにダイニングへ向かった。





「茉莉、何をするつもり?」




お母様は私の行動が理解できない様子だった。






「仕事ができない者には、この家にいる資格はありません。」





私がそう言うと、お母様が何か喋ろうとしたが、ちょうど後藤さんが部屋に入ってきたので遮られた。






「お呼びでしょうか、お嬢様。」







後藤さんは頭を下げると、私の眼の前で立ち止まった。