君に出会わなければ…









だいたいお願いがあるときは木村さんに言って、彼女が6人それぞれの分担を決めている。



「今日だけ洋服しまっておいてくれる。」


「かしこまりました。」


木村さんは理由は聞かず承諾する。



「夕食部屋で食べたいから運んでもらっていい? それと、1人になりたいから今日は誰も部屋には通さないって、後藤さんに伝えておいてもらえる? 6人も、誰か来ても溝口以外一切部屋に通さないで。」


「わかりました。溝口にもそのように伝えておきます。夕食の準備が出来ましたら、溝口にお部屋に運ばせます。よろしいですか?」


「そうして下さい。」


「かしこまりました。私が下に行っている間、坂本がお洋服の整理を致します。そのほかの者は外で待機していますので、何かありましたらお声かけください。」


坂本さんはまだ19歳で、現役の大学生。昼間は学校に行っているため、夕方の私の身の回りのことは、彼女が中心に担当している。


「ありがとう。それといろいろわがまま言ってごめんなさい。」


あまりに身勝手な要望をしたと思い謝ると、外で私と木村さんの会話を聞いていた5人も含めて、みんな笑顔でまた顔を振った。

そんな6人になんと言っていかわからず、

「ありがとう。おやすみ。」

そういうと、


「おやすみなさい。ゆっくりお休みください。」


そう言って木村さん他4人は頭を下げて、坂本さんだけ洋服をたたむため、部屋に入ってドアを閉めた。


「着替えてくるね。」

そう坂本さんに言い残して、クローゼットへ向かう。部屋を入って左に行くと自分の寝室があり、その先にクローゼットがある。

適当に部屋着を選んで、制服から着替え、坂本さんが洋服を畳んでいるソファーの向かいに座った。