「1年くらい家庭教師をしてもらっていたんですけど、彼女が大学生になって、医学部だったから忙しくなって、そのころに父の会社も倒産。家庭教師なんて雇うお金は無くなって、会う機会が減って自然と別れることになったんです。」
話している溝口を見ると、昔を懐かしそうになにかを思い出している顔だった。
「中学生じゃ付き合うって言っても、何もなかったんですけどね。デートも彼女の受験が控えてたから、図書館で勉強とかカフェでお茶飲む程度で。どもいい思い出なんです。」
そう言い終えた溝口はとってもいい顔をしていた。
そっか。と言うと
「さてさて、昔話は終わった?」
頭上から声が降ってきて、振り返ると高城先生が立っていた。
「盗み聞きは良くないですよ。」
そう言って溝口が立ち上がり、高城先生と向き合う。
高城先生と溝口、ちょうどいい身長差だ。
話を聞いたからか、この二人とってもお似合いに見える。
歳の差は5つ。
いまどきそれぐらいなら普通だろう。

