君に出会わなければ…







「グループ後継ぎの話。」

「そっか・・・。」



それから高城先生は何かなにか考え始めた。

数分たってからこっちを向いて話し始めた。



「会長は昔から心臓が悪いっていうことは

知っているよね?」


会長とは茉莉の父親

つまり内海信太郎のこと。

信太郎は幼少期から体が弱かった。

それなりに体力がついたころには

早くに亡くした父親にかわって

若くして内海グループの会長に就任。

不規則な生活、毎日のように外食。

そんな生活をしていたせいで

茉莉の母である真木子と出会ったころには

すでに心臓に病をかかえていた。


「知っています。

ずいぶん若い時に無茶な生活してたのが原因なんですよね?」


高城先生は「そおよ。」とうなずいた。


「あたしも梶山先生から聞いた話だし

担当医じゃないから詳しいことは知らないんだけど。

でも心臓の病気は奥様に出会う前には

もう患っていたと聞いてる。」


梶山先生とはこの大学病院で教授をしている

柚葉のお父様。

高城先生の上司。

つまり心臓外科医。

で、昔から信太郎の担当医でもある人。