君に出会わなければ…




溝口は笑って誤魔化した。


「そろそろ着きます。」

「わかった。

今日少し時間かかるかもだから

終わったら電話するから

いったん帰ってていいから。」

「そんなに女子トークするんですか?」

「違うわよ。笑

疲れのせいか胸に違和感あるのよ。

お父様も心臓悪いし

遺伝ってあるじゃない。

心配だから診察してもらおうと思って。」

「ではお迎えに伺うとき

奥様も一緒に…」

「それはいい。」


私はさえぎった。


「ですが…!」

「お母様が心配性なのは

よく知ってるでしょ?

もしなんともなかったのに

いらない心配かけたら

申し訳ないじゃない。

溝口ならわかってくれるよね?

だから黙ってて。ね?」