君に出会わなければ…




私は溝口になにも言えなかった。


「逃げずにゆっくり

 考えてあげてください。

 今回ははやめに気づけたので

 考える時間はたっぷりと

 あると思うので。」


「逃げるって人聞きの悪い表現

しないでよ。」

 
私は言い返した。


(確かにいつも

知らない人と話すのが嫌だから

柚葉とかに頼んで

断りの返事返したり

呼び出されたらかならず

すっぽかしたりしてたけどさ。)


「逃げてるのかこれ…。」


私はポツリと呟いた。


「今回はまず相手のことを

知るということをしてみましょう。

お嬢様はいつも相手がどんな方か

まったく知らないのに

断ってらっしゃいます。

それはたいへん失礼なことです。

ですので今回は

お坊っちゃまに相手の性格などを

聞いてそして考えてそして断る

という手順でいきましょう。」


(もうすでに断る方向でいるところが

溝口の私への理解度の高さを

示してるよね。笑)