彼が守ってるのなら…

きっとまた風が吹くはず。

わたしは、ぎりぎりまで手を伸ばす。

が、届かない。

ベランダをまたごうとしたとき…

風が吹いた。

やっぱり彼が守ってるんだね。
ほっと一安心。

わたしは指輪に、手を伸ばす。

すると…

その風が下から上に吹き始めた。

あっ、

わたしの指輪が!

風はさらに強くなって、

指輪は空高く舞いどこかに消えていった。

ど、どうして??

そのとき、後ろから声がした。