Hurly-Burly 4【完】


よっちゃんの瞳が寂しそうに揺れた。

「そういうのは、ヒヨリンが初めてだった。

最初は可愛いなとかちょっと思ったけどな、

話してる内に親しみやすいっていうのか?

頭良いくせにゲーム強かったりさ、足速かったり

驚かされることは多かったけどな。けど、俺に

とってはすげーことだった。」

にへっと笑うよっちゃんはあたしが出来ない

笑顔を浮かべていた。

「あ、あたしは、そんな良い人なんかではない。

極力不良というのには関わりたくなかったし、

大したことが出来るほど人間出来ていない。」

だけど、みんなに出会って変われた。

今までどんなに頑張ってもこの顔が崩れる

瞬間なんて中々訪れなかった。

それでも、楽しいと思うこの瞬間を

大事にしていきたい。

人と関わることを避けてきたあたしに、

みんなの力になれるのだったら何だって

出来る気がするんだ。

「だけどね、きっと何か困ったことが

あったら一番に力になるよ。不良メンバーズ

みんなの力になれるようにどこに居たって

駆けつけるさ!」

そう出来たらあたしは幸せだと思う。

「ヒヨリンってマジで良い奴だよな。」

「惚れるでないよ!!」

「それはマジでねぇから。」

また、軽く酷いことを言ってくれおったな。

そういえば、よっちゃんと放課後にこんな風に

2人で過ごすのはコンビニに行く以外はずっと

ゲームでしかなかったな。

後は、前にケータイ取りに学校に行った時か。

「そういや、前学校についてきてくれたよな。」

「よっちゃんのヘタレ加減にあたしはこの先

を思いやられたけどな。」

あの時は一生彼女なんて出来ないんじゃないかと

思ったけど、今こうやってよっちゃんは可愛いと

言い張る女の子に恋しているわけだ。

「そんなに俺ヘタレか?」

「うむ、重度のな!」

だから、よっちゃんにエールを送ろう。