しかし、今は冬だ。

春って季節を先取りしている!?

こ、これは彼女が出来るかもしれない

人生の分岐点ってヤツなのか?

「ひ、ヒヨリン?」

「よっちゃん、もしかして恋なるものしてますか?」

ズイっとケータイをよっちゃんの目の前に

差し出すとひっと短い悲鳴をあげてもっくん

の後ろに隠れたよっちゃん。

な、情けないことこの上ない。

「あたしにはよく分からないが、そういうのは

大切にした方がいいと思う。」

恋をするなんてもうこの先、一生ないと思う。

多分、あたしにそんな感情生まれない。

“あの人”が居なくなってからは余計に、

自分に言い聞かせた。

いつか、一ノ瀬でそういう話が出るやも

しれないことはもうずっと前から知ってた。

お祖父様があたしに継いで欲しいのだって、

一ノ瀬を大きくするためにきっと一ノ瀬より財力

や上手くいってる財閥との結婚だろう。

女であるあたしに求めてることなんてそれぐらいだ。

「ヒヨリン?」

「いや、よっちゃんの好きは一途な気がするから。」

「そ、そうか?」

アフロをこよなく愛してるよっちゃんを

見れば分からなくはない話だ。

「つうか、いつの間にそんな抜けがけしてたんだよっ!?」

「ももっち、僻まないの!」

「僻んではねぇよ。」

「ひーちゃん、もうすぐでコンビニ着くよ。」

※話しながらずっとコンビニ目指してました。

「それじゃあ、よっちゃん救出大作戦ならぬ、

よっちゃん、クリスマスまでには可愛い彼女

ゲットしちまえ大作戦決行だね!!

おでん買って作戦を練ろうじゃないのよ。」

「お、俺、マジで女に免疫ねぇ。」

「ヘタレたこと言ってる場合か!!

男なら、出たとこ勝負よ。

押し倒す勢いで仕留めたまえ!!」

「ひーちゃん、ビックリするぐらい大胆な

発言してるけど・・・大丈夫?」

もっくん、これはあくまで例え話よ。

実際、よっちゃんにそのレベルはまだ

早いというか女の子がビックリしちゃうわ。

ジワジワ攻めていく作戦だと思うけど、

こういうのあたし詳しくない。

何せ、人に関わることを今まで避けてきた。

※つまり、恋愛は初心者レベルです。