Hurly-Burly 4【完】


よっちゃんの手が震えてポケットから出そうと

したケータイがすり抜けて地面に落下した。

「ちょっ、どうした美男!?」

「ひーちゃん、ビックリしすぎ。」

つい、美男と呼んでしまったではないの!

「ケータイ壊れんぞ?」

ももっちがよっちゃんのケータイを拾って、

よっちゃんに返すとよっちゃんは涙目になった。

「えっ!?」

「ど、どうすりゃいいんだ俺は!!」

い、いきなりどうした?

ケータイを持って訴えかけてくるよっちゃん

の悲痛の助けは受け取った。

「どうしたの?何か嫌なことされてんの?

ま、まさか、慶詩のヤツにパシリにされてんだったら

あたしが取っちめてやるわ!!」

あの、金髪ライオンならやり兼ねないわ。

人をコケに使いそうな傍若無人っぽい。

でも、そんなところ見てない。

「慶詩さんが何で?俺、別に嫌なことされてねぇよ。

慶詩さん、パシリにするような人じゃないぞ。」

その言葉に心底安堵した。

ヤツを敵に回したら厄介じゃないの。

絶対、伊織君が味方しちゃうんだから

あたしに勝算がなくなっちゃう。

「それに取っちめるってヒヨリンすげーこと

言うよな。そういうこと、あの人たちに言える

のはきっと世界でヒヨリンぐらいじゃないか?」

「えっΣ(゚д゚;)」

そんな大それたことなのかい?

ただ、母ちゃんが息子を叱るような気持ちだったけどね。

別に取っちめると言っても暴力に走るわけじゃないのよ。

「俺は、心底惚れてんだ。」

「何、急に!?あたしは、そのよっちゃんは

良いお友達として接してきたつもりなのだが!!」

驚いて腰抜かしそうなんですが?

「俺もそんなつもりないけど・・・」

だったら、紛らわしいこと言うんじゃないよ!

勘違いしちまうじゃないのよ。

ちょっと、恥ずかしい思いしちゃったじゃないか。

し、心底恥ずかしくて穴があったら入りたいよね。