よっちゃんが居なかったら、あたしだって不良

メンバーズにこんなに打ち解けられたか分からない。

「よしっ、尾行してみよう!」

「えっ、ひーちゃん仕事は?」

「いいの、それより今はよっちゃんを救え

大作戦を決行よ!」

「マジかよ・・・・」

こうしちゃ、居られない。

よっちゃんが歩いて行った後を忍び足で

スタタタッと走る。

「ひーちゃん、普通に走れば・・・」

「・・・ゲホゲホッ」

※笑いすぎて咳き込んでるのはももっちです。

「・・ッチ。こんなことが想定内だったら、

変装グッズ持ってきてたのにっ!!」

「いや、ここ学校だから。」

物陰から隠れてよっちゃんが座った非常階段

をこっそり双眼鏡で覗く。

「つうか、いつ双眼鏡持ってきた!?」

ももっち、そこは驚くところじゃないわ。

いつもバードウォッチングしてるもの。

これは、常備するアイテムじゃないの!

よっちゃん、ケータイを見てため息を吐いた。

何か、深刻な悩みのせいなのか気のせいなのか。

アフロが心なしかボリュームダウンだ。

あ、あれは髪にダメージが・・・。

しんなりアフロは見慣れてない。

「まさか、あんなに落ち込んでるとは!!」

何か、相当参るようなことがあったのだろうか?

「ヒヨリン、俺にも見せくれ!」

双眼鏡に興味深々なももっちに壊さないでよって

言って貸してあげた。

「もっくん、ごめんね。双眼鏡1個しかないの!

後で、順番が来たら貸すからね。」

「裸眼で十分見えるけど・・・」

もっくん、痛いところついてくる。

「こういうのは雰囲気から入るもんだよ!!

探偵ホワイト・ローズだって初心が肝心だって

言ってたよ!!」

「探偵ホワイト・ローズって誰?」

「えっと、推理小説『丸太に恋するキャメロン』に

出てくる若手の探偵だ。」

「えっ、脇役!?」

ももっち、漫画より小説の方が面白いぞ。

あたし、漫画を読んだことがないや。