大体、こんなに美しい人がそんな悪巧みするよう
にはどうしても見えないわ。
ああ、なんて美しい人なんだろうか?
お造りを口に入れながら神々しいほど美しい
ダンディーさんを見れる一石二鳥だわ。
兄ちゃん、とうにお昼は過ぎただろう。
しかし、ご免よ!あたしもう少しいい思いしたい。
「ところで、君は怖いもの知らずだね。」
パクリと天ぷらを口に入れて橋をポロっと落とす。
「怖いもの知らずとは?」
「知らないことにこしたことはない。」
謎多きダンディーさんが益々分からなくなってきました。
「聞いていた以上に気に入った。」
「はい?」
な、何を言ってんだこの人?
頭、大丈夫かな?
※お前に言われたくないだろうよBy作者
「家は男ばかりでね、君みたいな女の子が
居ると華やかになるだろう。」
「そ、そうですか?」
そんなこと言われたことないから感激だ。
女の子扱いなど普段されないから余計に
ダンディーさんカッコイイです。
「息子の嫁に来てもらいたいぐらいだよ。」
「は、はい!?」
「ハハッ、気が向いたらでいいさ。」
いや、誰だよ。息子とか息子とか・・・。
心当たりが全くないんですけども!
そういえば、まだ肝心なこと聞いてないよ。
誰が密偵してたんですかって聞かないと。
う~ん、どんなふうに聞くべきかな?
そんなことを考えていたせいかすぐに
料理が終わってしまって、デザートの
あんみつを食べるダンディーさんと
抹茶を啜るあたし。
普通は逆だと思われるが、あんみつを
美味しそうに食べてるダンディーさん。
顔に似合わずと言ったところだろうか?
しかし、ここの抹茶美味しい。
まろやかな口当たりが上等な証拠だ。

