運ばれてきた料理の豪華さにビックリして

ヨダレが溢れそうになった。

こ、こんな真昼間からお目にかかる代物じゃないよ!

お造りとかお刺身が美しく盛られてる。

ゴクリと喉を鳴らしていただきますとダンディー

さんに言うと漆黒で濡れた綺麗な瞳を細めて、

「行儀の良いお嬢さんだって聞いてたよ。」

「えっ、」

Σ(゚д゚;)一体、誰がそんなあたしのイメージ

アップを狙っていると言うんだ!!

和食のマナーというのも一通り小さい頃に

教わったものだから身についてる。

「ダンディーさんはこういうお店に良く?」

「いつもはもっとむさくるしくてね。

家の連中は暑苦しい男が多くて、君の

ような若い女の子を連れてきたのは久しぶりかな。」

ひ、久しぶりですと!?

「そ、それは・・・」

「あ、血は繋がらないけど娘のように思ってる

子がいてね。訳があってたまに食事をする程度

のことがある。」

「そ、そうですか、すいません、気が付きませんでした。」

言いたくないこと言わせてしまっただろうか?

失礼なことしてないだろうな?

「いいんだよ、聞きたいことは何でも聞いてくれて

構わないよ。君には一度会いたいと思っていたからね。」

「えっ、?」

会いたいと思っていた!?

あ、あたしテレビに出たことないよ!

会いたい人とかに選ばれるような人物像ではない!

「・・・・ッハハ。話に聞いていたどおりで

君は本当に面白いお嬢さんだ。」

「い、いいえ!面白いだなんて滅相もございません。」

ほ、褒められているのよね?

というか、一体誰がそんな密告してるんだ!?

ま、まさか、密偵が居たのか?

あの娘面白いぜ。荒稼ぎに使ってやろうぜみたいな

そんなノリで・・・ああ、世の中怖いっ。

でも、そんな怪しい人最近見かけてないよ。

随分と穏やかな日々を過ごしていたせいか、

油断大敵という言葉を思いついた。