ダンディーさんが入ったお店に入る。
とても、趣のあるお店だったと思う。
和風の料亭なのかなと思うような、
お店の中に橋があってビックリした。
「あ、あの、・・・」
あたし、こんなところで食べられるようなお金を
今持ち合わせてませんよ。
「こういうところに来るのは初めてだったかな?」
確かに、初めてだけども・・・いいのかな?
流されてるような気がするんだけども。
「き、緊張します。」
「緊張しなくても安心しなさい。
何も取って食べようなんてしないから。」
いや、そういう心配じゃなかったよね。
むしろ、そんなこと思っても見なかったさ。
座敷のようなところに案内されてドキドキ
しながら、ダンディーさんに任せる。
「嫌いな食べ物とかあるのかい?」
「いいえ、基本何でも食べられます。
甘いものが苦手なだけです。」
「そういえば、そんなことを聞いたことがあったな。」
えっ、聞いたことがあった!?
誰にだよ?極秘情報流した不届き者は誰だ!
「あ、あの、あたし・・ダンディーさん
失礼ですが、生憎お金の持ち合わせが足りない
と思われるのです。」
バスに乗って行くだけだと思ってたから
今の所持金は2500円程度なんですよ。
「そういうのは気にしなくていい。俺が誘ったの
だから、それにご馳走させて欲しいと言った。」
「そ、そうは言っても・・・」
一体、あなたの正体は!?
それが分からないことにはどうしようもなくて、
ダンディーさんは知ってるのにあたしは知らないから
何か理不尽な気がする。
「とりあえず、食べよう。」
ああ、美形な人ってズルい。
こういうところで浮くようなあたしと違って、
ダンディーさんはすごく絵になる。
見てるだけで神々しい。
果たしてこんなにお美しい方に今までお会いした
ことがあっただろうか?
益々、謎が深まってきたぞ。

