誰かに決められた道を歩いてるわけじゃない。

きっかけは何が原因かとかそういう問題でもない。

あたしがそう決めたことで自信を持たなきゃいけない。

ウジウジしてたらそれこそ自分に決めたことを

掘り返して言い訳並べて嫌だって駄々をこねて

もう子どもじゃないのに自分の足で立たなきゃ大人に

なんて慣れっこない。

あ~、なんてグダグダ再来なんだ。

あたし、弱すぎるだろうよ。

こんなんじゃ、顔向け出来ない。

こんな時でもあたし泣けないのか。

引き攣る顔は未だに崩れない。

普通なら泣くところなんじゃないのかな?

ドンと人がぶつかってきて後ろに尻餅付いた。

もう、何だ!今日は運勢悪いのかね?

魚座の今日の運勢は12位だって言うのか?

お尻痛いよ。心も痛いよ。その癖痛いって言えない。

謝れよぶつかってきた人とか思いながらも

何も言えずに居た。

「ほら、見ろ。だから、俺も行くって言ったんだぞ。」

な、何で来るのよ。

あたしは帰ってって言ったじゃない。

冷たく突き放したはずじゃないか。

自転車をガシャンと停めるユウヤの左手が

前に差し出される。

「怪我してないか?」

そんなに優しくしないで。

あたしにそんな優しさ甘ったるい。

ここぞって時のその言葉にはすごい威力がある。

あ、これが吊り橋効果ってヤツなのか。

「とりあえず、立てるかだよな。」

「た、立てるよ!」

人を年寄り扱いする気なの!?

少しポイント上がったのに大降下だよ!!

「ビックリした。追いかけてきたつもりが

見失ったからどうすっかなと思ってたら、

地面に座り込んでるしよ。」

「サプライズだ!」

ユウヤの手に体重をかけるとグイっと引っ張られて

立ち上がれて心なしか谷ぞこからやってきた救世主に

見えたような気もした。