いや、不良メンバーズみんなの危機はあたしが

見事に救出しに行くから待ってろ!

「その言葉が何よりも心強いんだ。

ヒヨリンが居るだけでスゲー助かる。」

「あははっ、あたしの有難みをやっと気付きおったな。」

「そういうこと言わなきゃな。」

だ、だって、しんみりしちゃうじゃないか。

「大丈夫だよ。きっと、ユウヤも誰かにとっては

希望の星だと思われてるさ。みんなだってユウヤ

が居なきゃ寂しいと思うよ。」

「そうだといいけどな。」

「あたしだって、ユウヤが居ないと寂しいと思うよ。」

「えっ!?」

「ほら、盛り上がり役のユウヤが居ないとね!

慶詩だって、伊織君だって寂しがるさ。」

「ヒヨリンは俺と一緒に居て楽しいか?」

ふわふわと風と一緒に美味しそうな匂いがする。

「うん!当たり前だよ。ユウヤと一緒に居るのが

一番楽しいと思うよ。こうやって、話すのもユウヤ

ばっかりな気がする。」

何だろうな?ユウヤは気を使わずに済むというか、

話してると嫌なこと忘れられそうになる。

ナル君は可愛いからずっと見てたくなるけど、

慶詩はまず喧嘩になりそうでド突き合いになりそう、

伊織君は色気が邪魔をするからなしだし、馨君と

話すのも楽しいけど、妄想入って怒られるのがオチで、

京君とは未だにまともに話したことないよ。

この前、やっと一緒にゲーム出来たけどもさ、

あたしが喋ってるのを聞いてくれるけどユウヤみたいに

自分のことは話してくれない。

ちぃ君に至っては話が噛み合わないもん。

天然発言連発でツッコミ役に回らなきゃいけなくなる。

その点、ユウヤってすごい良いやつだ。

「そ、そうか!」

髪を掻きながら下を向くユウヤ。

「何か、元気なさそうだったけどいつもの

ユウヤに戻った?」

ふんふんふふふーと鼻歌まじりながらカラカラ

鳴る自転車の横をトボトボ歩く。

「ヒヨリンってスゲーよな。」

いきなりそんなことを言うかと思ったら、

ニカっと笑みを溢して笑うユウヤにホッとした。