屍のように魂が抜けた経験をしたのだった。
息を大きく吸い込んで盛大に吐き出す。
こ、呼吸をするのも忘れてたとは言えまい。
バイクが止まると直ぐに飛び降りたい衝動に駆られた。
信号が見事に青ばかりで一度も止まることはなかったのだ。
まさに、生死を彷徨うな暴走バイクだった。
だから、伊織君が降りるや否や直ぐに飛び降りて、
地面に手を付いて勘弁してくれと言わんばかりに
呼吸を静かにしていたはずだった。
ケラケラ笑う慶詩とヘラヘラ笑う伊織君に
怒りが込み上げて来そうでヘルメットを投げつけた。
「し、死ぬかと思ったではないか!」
「ちょーっとスリルがあっただけじゃねーの?」
「う、嘘を吐け!ちょっとどころか大いにだ!!
寿命が30年ほど縮んだらどうしてくれるんだ!!」
ぜ、絶対に10年は縮んだ気がする。
「うっせーな。さみぃーから早く入れよ。」
け、けしからんぞ!
こういうことには巻き込まないでくれと言いたい
ところなのに着いたところを見てポカンと口を開けた。
自動ドアが開いて先に入ってく2人に遅れを取りながらも
後ろを着いて行く。
「おー、何だ?クリスマスパーティーだったんじゃ・・
あれ、日和ちゃんいっらしゃい。」
in the バッティングセンター。
目の前では不思議そうな顔をして受付に座ってる
ターヤンさんがバットをはいっと慶詩に渡してた。
「何だよ、伊織も一緒って変な組み合わせだな。」
あ、あたしもそう思うぞ!
何故、危険な2人の引率をせねばならんのだ。
カムバック、あたしの楽しかったクリスマスパーティー!!
「んー、変でもないよな~。慶ちゃんとは仲がいいもんねー。」
「いや、そこに日和ちゃんが居ることが問題だろ。」
ターヤンさんよく分かってらっしゃる。
あたしもそれを誰かツッコミ入れてくれる
ことを期待していたんですからね。
「しばらく、何かと時間なかったろ。
少し打ってきゃ少しは発散すんだろ。」
バットをほれと投げられてパシッと片手で受け取った。
あたしは本当に馬鹿でどうしようもない。

