「ひっ!!落とされるのは想定外だった。」

「ひ、ひよっ・・・・・」

「お前、馨が死ぬから離してやれ。」

顔面をハグしていたせいか、馨君を

軽く絞め殺しそうになっていた。

ちぃ君に言われるまで気付かなくて慌てて、

バッと離すと馨君のブラックスマイルが輝いた。

「ご、ごめんなさい、謝罪の言葉しかありません!」

「日和ちゃん、君は恐ろしい子だよ。」

「うわ~ん、馨君ごめんよ。地面に額をこすりつけて

謝るから許して!!」

「もういいよ・・・・少し驚いただけ。」

口元を押さえる馨君の頬は暗くてよく

見えないけど微かに触れた時熱を持ってた。




―――――――ああ、こんな日はとことん思うよ。




ナル君と顔を見合わせた。

「今の見たか?」

「うん、感動の一瞬でしたよね!」

ナル君の手を握って2人で喜びに浸った。

「んー?」

「流れ星、早すぎてお願い言い忘れました!」

「俺も感動してて忘れてた!!」

「もう1回流れてくれませんかね?」

「そんな簡単に流れたら願い叶わねぇーだろ。」

ほんの少しでも期待してしまいそうになる。

こんなに楽しい日々を過ごせば過ごすほど

続くものだと勘違いしてしまいそうになる。

願わくば、続けばいいのになと思うのはあたしの

我儘な願いなのだろうか?

「因みに流れ星は毎日流れているものだそうです。

そんなに見たことに対しては珍しいものではないにしても、

お願いを流れてる間に3回言うのは不可能と言われてるんだ。

つまり、不可能を可能に出来るぐらいなら自分で何とかしろって

意味があるんだと書物を通して知った一節だ。」

「雑学だね。」

「ヒヨリン、前にもそんなこと言ってたよな。」

そっか、ナル君にはお星さまと縁があるようだ。

「今夜は流星群パラダイスなのでチャンスは何度かあるはずです!」

「日和ちゃん、チャレンジするんだ?」

「う、うん、背が伸びますようにと!」

まずは願って置こうか?



それから、本題を話すのが律儀な頼みと言えるだろうよ。

どうか、ささやかなこの願いを叶えて下さいませ。


―――――お星さま・・・・