し、死ぬ気で走れ暴走計画が発令中!
「敵は12時の方向に居ると思われます!」
「お前、周り見ろ」
ちぃ君、白けた目が一番辛いものだよね。
サッとみんなが一斉に引いた気がした。
「恥ずかしくてしょうがねぇな。」
け、慶詩に言われるとは屈辱的だ。
「って、そんなこと言ってる場合か!
マッチョサンダーボルトが追いかけて来てるっ!!」
「何だ、その変なネーミングセンスわよー。」
「なっ、ナイスグーなネーミングだ!」
じゃなくて、怒り爆発中のマッチョサンダーボルト
のことだからリングに上がってこいって言われる!?
「う、海に沈められたら化石になれるだろうか・・・」
「日和ちゃん、とりあえず立てる?」
馨君の問いかけに呆然としてるとマッチョサンダーボルトと
チャラっとしてるのに存在感が薄い2人組がすぐそこに
攻めってきていて顔面蒼白になった。
「酷い転び方だったもんね。そんなに痛かったんだ?」
ち、違うっ!馨君、後ろに例のマッチョサンダーボルト
が聳え立っている。
「ナルは怪我してない?」
「おうっ、してねぇー!」
「日和ちゃん、俺で我慢してね。」
ヒョイっと軽々と抱えられた。
片腕に収まって空中に浮いたことによって
脳内パニックセンサーが発動した。
「どわわわっわ!!」
か、馨君の腕に抱っこされてる奇跡が起こってる!!
「日和ちゃん、落ち着いて。」
「カハッ」
「困ったな、ナル悪いけど日和ちゃんの鞄持ってあげて?」
「おうっ、ヒヨリン俺もう少し体力つけて片手で
抱っこ出来るようになるからな!」
「・・・・・・か、かかかかかかかかかかっか」
ロボットのように機械的だった。
「慶詩、日和ちゃんが妄想走っちゃいそうなんだけど?」
「お決まりのパターンだろうが。」
「困ったな・・・・」
馨君が片手であたしを持ち上げてる!?
その強靭には見えぬ腕にはサイボーグが
埋め込まれているのか!!
まさに、ファンタジーブラボー!

