Hurly-Burly 4【完】


魂と体が分離するまさに幽体離脱を経験していた。

『およっ、これが世に言う幽体離脱というものか!』

空中に浮いてる体を地面に着地させる。

この体は第六感の持ち主でなければ見えないのよね。

ま、まさに透明人間のようではないか!

でも、幽体離脱したらどうなるの!?

元に戻れなくなったらこのまま生きていく的な

展開はないですよね。

ファンタジー小説になってしまいますがな。

「ナル、日和ちゃん死相が出てるから早く

離してあげな?」

救世主馨氏の甲斐あってか、ナル君の力が

弱まってすぐに魂は元に戻ったらしい。

「ぷ、プレイバック!?」

「どこ行ってたんだちびっ子。」

「・・・・体験することを勧める。」

あれは体感しないと分からんと思う。

「最後の回転は意味があったのか?」

ちぃ君、そのボケはどうツッコミ入れればいいかな?

「最後の力を振り絞ってだ!」

「il||li( ;;´・д`)」

な、何かイラっとするんだが!!

「つーか、何暴走してたんだ?」

慶詩、人の心配しようよ。

「ナル君を守るためにはやむおえなかったのよ!」

キリッと視線を向けると伊織君が電線したタイツ

をジッと見つめながら呆れたように笑った。

「そのナルちゃんまでお前の暴走に巻き込まれてたじゃねぇ~の?」

「いや~、計算外だったよ。止まる予定の地点で

止まらずして転がり落ちているも同然だった。」

馨君がスッとしゃがんでブラックスマイルを浮かべる。

「危ないことしないようにって言ったよね?」

「ひっ!!」

顔をすぐに青くしたのだろうか、馨君が困ったように

視線を落として電線したタイツを見つめる。

「ちょっ、待て!見るな、見るな!

電線したタイツは乙女にとっての傷と一緒だぞい。

すぐに、履き替えなければならないわ。」

「替えあるのかよ。」

ユウヤ、こういうことも想定しておく事前の準備を

欠かさないことがワンランク上の女への道なのよ!

「ひよこ・・・立てる?」

「that' all right!」

「・・・・何で英会話?」

「気合を入れてみた!」

「・・・・・何に気合入れたんだ。」

京君の優しさを踏みにじらないように、

会話がスムーズに進んでいるのだからって・・後ろに

さっきの奴らが追ってきてるではないか!