魂と体が分離するまさに幽体離脱を経験していた。
『およっ、これが世に言う幽体離脱というものか!』
空中に浮いてる体を地面に着地させる。
この体は第六感の持ち主でなければ見えないのよね。
ま、まさに透明人間のようではないか!
でも、幽体離脱したらどうなるの!?
元に戻れなくなったらこのまま生きていく的な
展開はないですよね。
ファンタジー小説になってしまいますがな。
「ナル、日和ちゃん死相が出てるから早く
離してあげな?」
救世主馨氏の甲斐あってか、ナル君の力が
弱まってすぐに魂は元に戻ったらしい。
「ぷ、プレイバック!?」
「どこ行ってたんだちびっ子。」
「・・・・体験することを勧める。」
あれは体感しないと分からんと思う。
「最後の回転は意味があったのか?」
ちぃ君、そのボケはどうツッコミ入れればいいかな?
「最後の力を振り絞ってだ!」
「il||li( ;;´・д`)」
な、何かイラっとするんだが!!
「つーか、何暴走してたんだ?」
慶詩、人の心配しようよ。
「ナル君を守るためにはやむおえなかったのよ!」
キリッと視線を向けると伊織君が電線したタイツ
をジッと見つめながら呆れたように笑った。
「そのナルちゃんまでお前の暴走に巻き込まれてたじゃねぇ~の?」
「いや~、計算外だったよ。止まる予定の地点で
止まらずして転がり落ちているも同然だった。」
馨君がスッとしゃがんでブラックスマイルを浮かべる。
「危ないことしないようにって言ったよね?」
「ひっ!!」
顔をすぐに青くしたのだろうか、馨君が困ったように
視線を落として電線したタイツを見つめる。
「ちょっ、待て!見るな、見るな!
電線したタイツは乙女にとっての傷と一緒だぞい。
すぐに、履き替えなければならないわ。」
「替えあるのかよ。」
ユウヤ、こういうことも想定しておく事前の準備を
欠かさないことがワンランク上の女への道なのよ!
「ひよこ・・・立てる?」
「that' all right!」
「・・・・何で英会話?」
「気合を入れてみた!」
「・・・・・何に気合入れたんだ。」
京君の優しさを踏みにじらないように、
会話がスムーズに進んでいるのだからって・・後ろに
さっきの奴らが追ってきてるではないか!

