Hurly-Burly 4【完】


チラッと前に立ちはだかる障害物を見てギョッとした。

い、イカツイぞ、マッチョな筋肉したヤツ居るぞ!?

薄着だけど、寒くないのかしら。

あたしなんてゴマ粒のような存在みたいに感じる。

ナル君よりも遥か高い巨人族の生まれなのか!?

エンジェルナル君を死守せねば逞しくないわ!

そして、もう1人はチャラチャラしてるようだ。

「ねね、今からちょっと遊ぼうよ。」

明らかにチャラさ前回だな。

これがクリスマス前線ってヤツなのかい?

「そこのショートの髪の子。」

やっぱり、あたしではないのだな・・・・。

※お約束になってきました。

そう来ると思っていたからハートは防壁を立てたぞ。

いつか、あたしの容姿を認めてくれる日が!!

その前に、ナル君を守らないと任務ですからに。

て、敵の人数は2人だけのようだわ。

ここは瞬時の逃亡を考えよう。

隙あらば、さらばの準備をしつつ様子見だ。

馨君も伊織君もさっきまで過保護なぐらい

後ろ振り返ってたじゃないか!

何故、都合の悪い時に限って話に花を咲かせて

完全にこっちを忘れてるのさ。

イカツイ男がナル君の肩に手を置こうとした

瞬間、ナル君の元にダーク天使が舞い降りた。

「触んじゃねぇーよ!!」

ペシっと手を払いのけるナル君の声は低く、

怒りを露わにしているというのがひしひしと

伝わってきてオロオロするしかなかった。

「きめぇんだよ。男をナンパするとか

趣味悪すぎだろ!!」

な、ナル君怒ると君は毒舌とやらになるのですかい!?

「あ?何だよ、可愛く化けてるのはそっちじゃねか。」

ぎゃ、逆ギレ!?な、なんて迷惑な人たちが世の中に

居るのだろうか。日本の風習は間違っている!

「な、ナル君、keep your heart!」

「ひ、ヒヨリン?」

心情ご察し申しますよ。

だから、こんな街中で喧嘩騒ぎを起こしては

副校長がまたネチネチ小言を言うのよ。

「そっちの子は女の子?」

ッケ!!頭カチ割ってやろうぜナル君!

女の子?ってどう見ても可愛らしい乙女の格好だわ。

制服を見たまえよ、スカートがお前の目に入らぬかっ!

暗くて全身タイツを着てるようにでも見えると言うならば

仕方があるまいが、それほど視力が悪いのかね?

眼科に行くことを進めておこうではないか。