チラッと前に立ちはだかる障害物を見てギョッとした。
い、イカツイぞ、マッチョな筋肉したヤツ居るぞ!?
薄着だけど、寒くないのかしら。
あたしなんてゴマ粒のような存在みたいに感じる。
ナル君よりも遥か高い巨人族の生まれなのか!?
エンジェルナル君を死守せねば逞しくないわ!
そして、もう1人はチャラチャラしてるようだ。
「ねね、今からちょっと遊ぼうよ。」
明らかにチャラさ前回だな。
これがクリスマス前線ってヤツなのかい?
「そこのショートの髪の子。」
やっぱり、あたしではないのだな・・・・。
※お約束になってきました。
そう来ると思っていたからハートは防壁を立てたぞ。
いつか、あたしの容姿を認めてくれる日が!!
その前に、ナル君を守らないと任務ですからに。
て、敵の人数は2人だけのようだわ。
ここは瞬時の逃亡を考えよう。
隙あらば、さらばの準備をしつつ様子見だ。
馨君も伊織君もさっきまで過保護なぐらい
後ろ振り返ってたじゃないか!
何故、都合の悪い時に限って話に花を咲かせて
完全にこっちを忘れてるのさ。
イカツイ男がナル君の肩に手を置こうとした
瞬間、ナル君の元にダーク天使が舞い降りた。
「触んじゃねぇーよ!!」
ペシっと手を払いのけるナル君の声は低く、
怒りを露わにしているというのがひしひしと
伝わってきてオロオロするしかなかった。
「きめぇんだよ。男をナンパするとか
趣味悪すぎだろ!!」
な、ナル君怒ると君は毒舌とやらになるのですかい!?
「あ?何だよ、可愛く化けてるのはそっちじゃねか。」
ぎゃ、逆ギレ!?な、なんて迷惑な人たちが世の中に
居るのだろうか。日本の風習は間違っている!
「な、ナル君、keep your heart!」
「ひ、ヒヨリン?」
心情ご察し申しますよ。
だから、こんな街中で喧嘩騒ぎを起こしては
副校長がまたネチネチ小言を言うのよ。
「そっちの子は女の子?」
ッケ!!頭カチ割ってやろうぜナル君!
女の子?ってどう見ても可愛らしい乙女の格好だわ。
制服を見たまえよ、スカートがお前の目に入らぬかっ!
暗くて全身タイツを着てるようにでも見えると言うならば
仕方があるまいが、それほど視力が悪いのかね?
眼科に行くことを進めておこうではないか。

