Hurly-Burly 4【完】


それにしても、終わるまで待っていたとは

半信半疑だったがビックリだ。

「わっ、こんなところにツリーなんてあったんだ。」

駅前とは言え、装飾がクリスマスらしく色とりどりだ。

ダディが迎えに来ると長々とジョセフィーヌとの散歩

話に花を咲かせて周りの景色を見てなかった。

「ヒヨリン気付かなかったのか?」

「そのお恥ずかしいながらも。」

こうやって、景色を見つめるのもいいかもしれない。

「うおー、今日はあのこぐま座流星群の日ではないか。

すっかり、忘れてしまっていたわ。観測データを

収集せねば・・・あたしとしたことが!!」

「へぇ~、そうなのか?」

「伊織君、知らなかったの!?12月は何度か観測

されるというのに!流星群の日を知っておけば

ロマンチストになれるぞ!」

グーと親指を立てたらため息吐かれた。

イルミネーションに星空パラダイスとはロマンチックだわ!!

「日和ちゃん、相変わらず物知りだね。」

「因みに月明かりがなくなる朝方の方が観測しやすいのだ。」

バイトをしていたため、すっかり忘れていたわ。

「ヒヨリン、寒くないか?」

「大丈夫だよ、ナル君の方が寒くないかね?」

君のような華奢な子には堪えるであろうよ。

「んと、手繋いでもいい?」

「うん、いいけど相変わらずの冷え性で氷を

触ってるかのようだよ?」

それにしても、今夜はよく冷える。

しっかり、防寒対策を考えてきて良かった。

「俺が温めてあげる。」

「・・・・・ナル君、勿体無きお言葉!!」

「そこの2人迷子になるなよ~」

「ちょっ、どこに行く気だ!」

どこに行く気なのか全く予想の付かないちぃ君が

前をボケっとしながら歩いてる。

その横に京君が目を見張ってハラハラしてるに違いない。

京君の後ろではユウヤと慶詩が何かを論議してるみたい。

あたしとナル君の前では伊織君と馨君が後ろのあたしたちを

気にしながら進んでてまるであたしとナル君は過保護な両親

に見守られてるかのようだった。