それにしても、終わるまで待っていたとは
半信半疑だったがビックリだ。
「わっ、こんなところにツリーなんてあったんだ。」
駅前とは言え、装飾がクリスマスらしく色とりどりだ。
ダディが迎えに来ると長々とジョセフィーヌとの散歩
話に花を咲かせて周りの景色を見てなかった。
「ヒヨリン気付かなかったのか?」
「そのお恥ずかしいながらも。」
こうやって、景色を見つめるのもいいかもしれない。
「うおー、今日はあのこぐま座流星群の日ではないか。
すっかり、忘れてしまっていたわ。観測データを
収集せねば・・・あたしとしたことが!!」
「へぇ~、そうなのか?」
「伊織君、知らなかったの!?12月は何度か観測
されるというのに!流星群の日を知っておけば
ロマンチストになれるぞ!」
グーと親指を立てたらため息吐かれた。
イルミネーションに星空パラダイスとはロマンチックだわ!!
「日和ちゃん、相変わらず物知りだね。」
「因みに月明かりがなくなる朝方の方が観測しやすいのだ。」
バイトをしていたため、すっかり忘れていたわ。
「ヒヨリン、寒くないか?」
「大丈夫だよ、ナル君の方が寒くないかね?」
君のような華奢な子には堪えるであろうよ。
「んと、手繋いでもいい?」
「うん、いいけど相変わらずの冷え性で氷を
触ってるかのようだよ?」
それにしても、今夜はよく冷える。
しっかり、防寒対策を考えてきて良かった。
「俺が温めてあげる。」
「・・・・・ナル君、勿体無きお言葉!!」
「そこの2人迷子になるなよ~」
「ちょっ、どこに行く気だ!」
どこに行く気なのか全く予想の付かないちぃ君が
前をボケっとしながら歩いてる。
その横に京君が目を見張ってハラハラしてるに違いない。
京君の後ろではユウヤと慶詩が何かを論議してるみたい。
あたしとナル君の前では伊織君と馨君が後ろのあたしたちを
気にしながら進んでてまるであたしとナル君は過保護な両親
に見守られてるかのようだった。

