バイトをする苦労を味わう毎日を体感中の

身ではあるものの、かなり周りに助けられて

成り立っているような気がするのです。

迎えに毎日ダディが来てくれるし、帰ると

夕飯を毎度作って食べていくようにマミー

に甘やかされて有難い日々を充実中です。

兄ちゃんの晩飯まで用意してくれてるから

本当にマミーには頭が上がらない。

「最近、黒宮君たち学校来ないよね?」

それはあたしがバイトをし始めて1週間が経った

頃にクラスの女の子が噂をしていた話題だった。

そのせいなのか、グレチャー相沢に職員室

へ連行されたのである。

「立花さん、どういうことかな?」

お前何か知ってんだろう的な視線を

送りつけられて下を向いた。

ついでに、加わった村田ティーチャー

まで生徒をいびってくる。

これはある意味拷問のような地獄。

「連絡取ってみてくれないかな?」

職員室だからあたしも自制心利いている。

「何故、あたしですか!?」

「委員長でしょ?アイツ等の世話係でしょ?」

「いつからそのような項目までセットに

なったのか存じ上げておりません。」

クルッと回転する椅子を反転させるグレチャー

相沢にギョッとしながらビシッとした態勢を

崩さずに言葉を待った。

「一生懸命アイツ等を助けたのに?」

こ、小声でそんなこと言うなんて卑怯者だ!

「馬鹿め!」

小声であたしも対抗を試みたがしかし悪魔2人には

力及ばずだった。

「このままだとアイツ等また1年生のままだぞー。」

衝撃的な発言に持っていたプリントの束をバサリと

落としてフリーズした。

「ひーちゃん、先輩になっちゃうかもよ?

一緒に卒業するんじゃなかったのかな。」

悪魔の囁きとはこのことを言うべきだ。

「ど、どうすれば救済出来ますかね?」

そんなことになっては困るわ!

委員長としてと言うよりもあたしの友人を

これ以上留年させるわけには行かない。

そうだ、一緒に卒業してくれなきゃ困るんだわ。