何事なんだろうか!?
しかし、騒ぐのがお好きなようで。
唖然とその光景を見つめていると、雄叫びを
上げる人も中に居て腰を抜かしそうになった。
「な、何だね!?」
そして、完全に言い出すタイミングを逃してしまった!
まぁ、いいか。大したことでもないし。
その内、種明かしとしても良いかと思うけど、
その前に待ったをかける展開だ。
「ひーちゃん、大丈夫!?」
尻餅ついて驚愕な眼差しを向けるあたしにもっくんが
困ったように手を貸してくれた。
もしや、みんな催眠術にかかって洗脳されてるのか!?
ひっ、変なミサ開かれたらどうしよう。
神様からお告げが来ないかしら?
「ヒヨリン、一緒に飾り作ろうぜ?」
まさに目の前に神様からの贈り物が居ります。
可愛く笑うナル君がもう片方の手を取った。
「飾りとは?」
「うん?クリスマス近いから飾り付けやるんだ。」
「えっ!?」
今時そんな呑気な不良が居ていいのかな?
クリスマスって行事を謳歌したいらしい。
お祭り騒ぎの不良メンバーズを横目に、
ソファーのところへナル君に引きづられた。
「日和ちゃん、何か飲み物要る?」
「あ、うん、温かいものがいいかな。」
ナル君の隣に座っているとナル君がテーブル
の上の折り紙を手にとった。
あの事件からまだそんなに時間は経ってないはずなのに、
みんなはすごく強いな。
何もなかったかのように過ごしている。
心とか体とか存在するものは必ず傷つく。
体の傷は治って元に戻るのが早いけど、
心に負った傷は容易く治りはしない。
もう少しあたしが起点を効かせていれば、
裏で操っていた人間を絞り出せたかもしれない。
人の心を弄ぶものが敵だとしたら今度は必ず
守ってやるんだわ。
「ヒヨリン?」
ナル君が折り紙を手に心配そうに見つめてきた。
「こういう物づくりは得意中の分野なので!」
あたしがウジウジ囚われてたってしょうがない。
前だけを見つめて走って行くんだ。
折角、楽しいんだから楽しまなきゃ損だ。
それから、思い出は出来るだけたくさん作っておきたい。

