バイトようやく年齢的にもそれが出来るように

なったので一度は経験しておきたいと思っていた。

働く苦労というものを知らねば、お金の大切さに

気付くことが出来ないのよね。

「その、危ない雰囲気ではないですよね?」

「可愛いケーキ屋さんだよ。2人にピッタリだから

いいと思うんだけど、どうする?」

クルミちゃんの思いがけない良い話に食いついた

のはあたしだけじゃなかった。

「「やるわ(やります)!!」」

「マジか、じゃあ、電話しとくね。

お店には明日の放課後見学しに行こうね。」

「稼いでやるわ!」

「社会勉強が実現だわ!!」

「な、何か2人ともやる気だね。」

彩乃ちゃん、あたしはとても感動している。

放課後はお約束通り女子会開催にて、

今日は乙女同士の放課後をenjoyしてくるわ

と不良メンバーズに告げといてあったので

ワクワク胸を躍らせながら放課後を待った。

普通の女子高生の放課後をenjoy lifeして、

青春を謳歌するわけだが、みんな深刻な悩み

を抱えていたわけであたしは唯一食べれる

チーズケーキを頬張りながらその話を聞いていた。

クリスマス前の乙女達はみんなソワソワして、

プレゼント選びやら予定やらを立てているようで、

クルミちゃんが激しくしょげていた。

サユとマコ君は相変わらず上手くやってるみたいで、

ツンモードのサユの話は幸せが詰まっていた。

彩乃ちゃんはあまり多くを語らないが、年上の

彼氏さんとはクリスマスを過ごせずだそうだ。

一体、どんな人と付き合っているのか?

まさに、乙女な話にあたしは参加出来ずだった。

期待出来るような浮いた話が1個もないことに

たはっと笑うしかない。

ただ、聞き役になることが精一杯でみんな

苦労しているのねと思うばかりで自分が同じ

立場になることはきっとないなと思っていた。

人を好きになることはこの青春時代なさそうで、

未来に向かって努力をしなければならなくなりそうだから

他人事のように童話話でも聞いてるような気だったかもしれない。