古典の授業が終わってお昼休みにクリスマスイブイブ
のお誘いのお話をしておいた。
「そう、あんたが楽しそうならいいのよ。」
「日和ちゃんと黒宮君たちって仲良しね。」
最近、中庭だと寒いからと菜南子先生が
カウンセラー室を貸してくれる。
本当にお姉さんが出来たみたいに優しくしてくれる。
兄ちゃんにお嫁さんが出来たら苛められると
思っていたが、菜南子先生がお嫁さんになってくれたら
何の心配もなさそうだ。
「さーちゃんとの友情に勝るほどではありませんが、
仲良くしていますよ。」
「な、何よそれ、当たり前じゃない!」
ツンモードのサユは可愛さね。
「紗友梨ちゃんは日和ちゃんと本当の姉妹
みたいに見えるわね。」
「菜南子先生、日和は妄想激しい子なので
気をつけて下さいね。」
「大丈夫よ、透真があんな感じだもの。
もうビックリしないわ。」
確かに、兄ちゃんの彼女とは本当に寛大な人じゃ
なきゃ務まる話じゃない。
「何か、菜南子先生は家の母さんみたいです。」
「えっ?」
「肝が据わってる母でしたから、よく父さんを
丸め込んでました。兄ちゃんが菜南子先生みたいな
人に出会えて本当に良かった。」
アメリカで兄ちゃんと菜南子先生は出会ったそうだ。
旅好き兄ちゃんに惹かれてしまった菜南子先生は、
旅にはついては行かないものの帰りをよく待っていたんだとか。
「確かに、年上でしたよね?」
サユがえっとと言いながら先生に聞くとええと頷いた。
「クリスマスパーティーも楽しみにしてるの。
誘ってくれて本当にありがとうね。」
「いえ、2人で過ごしたかったですよね?」
「ううん、そんなことないわ。みんなで
楽しく過ごせるのは魅力的だもの。」
きっと、兄ちゃんと上手くやっていけるのは
菜南子先生が一枚も上手だからだ。
すごく思いやりのある人じゃなきゃ、
兄ちゃんは手に余るから。
こんなに綺麗な人をゲットした兄ちゃんには
一体どんな特典があったんだろう?

