だから、今回は見逃してやるわよ。
「日和に免じてよ今回は!次はないから
覚悟してなさいよ。」
「サユリちゃん・・・・」
「あのね、日和。無茶する子なの。
だから、あんまり無茶させないでよね。
あんたたちのせいで日和が辛い目に遭ったら
腹立たしさで目覚めが悪いわ。」
「極力、気をつけるよ。」
「ホントよ!お陰であたしまで生徒会入らなきゃ
ならなくなったじゃない!!どうしてくれるのよ!!」
覚悟を決めたあの子はもう誰にも止められないんだから。
ううん、あの人だったら意図も簡単に止めてしまいそうだけど、
今は居ないのだから頼れないわ。
「生徒会って?」
ナル君が不思議そうに首を傾げた。
「あの子、無茶苦茶なお願いして会長に頭下げたのよ。
そうした方が、早いからって・・・一刻も早く疑い
を晴れさしたかったって、諦めて欲しくなかったって言うのよ。
だから、断り続けてた生徒会の話受ける覚悟で
会長に会いに行ったの。」
「何やってやがるアイツ!!」
やるって決めたあの子は怖いの。
本当にやって退けてしまうから。
「ヒヨリン、何でそんなこと・・・」
「言ってたのよ日和が自信を持って。
“どんなことがあろうとあたしが守るの”
だから、あんまり無茶させないでって言ってるんじゃない。」
「ヒヨリン!!」
眠そうによっちゃんの背中に体を預ける日和は
ウトウトしていた。
「それにこんなことも言ってたわ。
あたしが何でそこまでする必要があるのって
聞いたときのことなんだけど・・・」
ふんわりと笑って答えたの。
『だって、みんなはあたしのお友達なんだもの。
友達が困っているのを助けるのは当たり前だわ。
困ったらお互い様って言うでしょ?
だから、あたしが守ってあげるって言ったの。
みんなだけじゃなく、不良メンバーズの誰が
欠けても駄目だからあたしがピンチを救う
愛の戦士になるんだ!』
あんなに幸せそうに笑う日和は貴重なんだから。
少し、悔しかったわ。

