伊織君を見るとシンクロしてしまう。

「こっちを見るなフェロモン魔導師!」

「俺はまだ何もしてねぇ~じゃねの。」

まだとは何だ!?

この先があるとでも言うのかい!!

「おめぇーの母ちゃん有名なのか?」

「多少、名の知れた弁護士をしていた。」

慶詩から聞いた癖に興味なさそうにふ~んと

言って耳を掻いていた。

「伊織君のお父さん、見る目はあるかも知れんな。」

※容姿褒められたので嬉しいらしい。

「そんで、何した?」

ちぃ君がもしゃもしゃ最後の一枚を口に運ぶ。

「えっ、もう全部食べちゃったの?」

あんなにたくさん作ったのに!!

ペロッと指に付いた粉を舐める様子は

色気を放っていて顔が赤くなりそうだった。

「何もしてないって言ってるじゃないか。

もうしつこい男はモテないのだぞ!」

「・・・ひよこ、看板が」

ドンっと鈍い音がして、看板にタックルしていた。

「京君、忠告ありがとう。」

「・・・・遅かった。」

眩しそうに目を細める京君と目が合ったと

思ったらすぐに逸らされた。

「ヒヨリーン、飯食いに行こうぜ。」

ビューンっと自転車を飛ばしてきた

よっちゃんに後ろ乗れよと言われた。

「警察署を前にいいのかしら?」

2ケツというのは良くないのではなかったか。

でも、ちょっと歩くの疲れたから助かった!

そして、あたしの愛車マイケルが戻ってきた。

「おうっ、よしよし。あたしでなくてビックリ

したであろう?」

マイケルの車体を撫でるとよっちゃんに顔面蒼白

な顔をされてこっちがビックリした。

「ヒヨリン、・・・帰って寝た方がいいんじゃね?」

「あたしもそう思う・・・・」

どうも、マイケルが喋って来そうで末恐ろしい。

ついに、あたしの妄想が暴走してしまう前兆って

ヤツなのかもしれないと思うと若干ビビった。