大体、伊織君は小賢しいのよさ。

「伊織君、ダダ漏れなフェロモン仕舞え。」

「じゃあ、このままホテルに付き合え。」

ウインク攻撃は激しく動揺した。

伊織君め、油断大敵だわ。

「ビッフェになら付き合ってあげてもいいよ。」

お腹を満腹に満たしたいところよ。

「お前の交わし方は今までにねぇーな。」

「伊織っ!」

ナル君が伊織君に噛み付きそうな勢いだ。

「あたしも、自転車があるのだけども・・・」

「美男が乗って帰るらしいぞ。」

「何だと!?あたしのマイケルがよっちゃん

の運転に任せちゃおけん!」

「日和ちゃん、美男たちのことありがとう。」

馨君がにっこり微笑んでくれた。

「あ、あた、あたしは何もしてないから、

気にしなくていいよ。」

「美男ら全員口揃えておめぇのこと褒め倒してたぞ。」

慶詩が欠伸をしながらチラッとこっちを見た。

「えっ!!・・・言うなと言ったのに!」

「ヒヨリン、俺無視なんかして・・・ごめんな。」

ナル君がショボンとしながら不安そうに見つめてきた。

「いいよ、だけど、次はないからね。あたしの

ナイーブなハートには堪えたわ。」

「おめぇのは頑丈な鋼鉄だろ。」

「なっ、慶詩が一番酷いこと言った!」

ムッと慶詩の耳を引っ張るとギロっと視線を

向けられてナル君のハンドを掴んだ。

「悪かったな。」

そう言いながら髪を掻いてそっぽ向いた。

「えっ?何、聞こえなかったわ。」

「わ、悪かった。」

「むむ?もう1回言ってみろ!」

「てめぇ、泣かすぞマジで。」

慶詩のゴッドハンドによって小突かれた。

「痛いっ!!」

全く、あたしの頭脳に感謝するべきだ。

正しくこの頭脳がなければ推理出来なかったのだから!!

でも、慶詩も謝れるのだな。

初めて聞いたかもしれないや。

何か、妙な感じで擽ったいようなだけど、

あの言葉が全部嘘で。