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な、何か、ちぃ君ご機嫌ナナメらしい!!
「え、えっと、クッキー焼いたけど食べるかね?」
鞄から包装紙に包んだクッキーを取り出した。
「食べるヽ(`⌒´)ノ」
牢屋には甘いものがなかったのかな!?
ハッ!!貴重なご意見を詳しく聞かせてもらわねば。
「ところで、牢屋の中に入った感想は!?」
目を輝かせてメモ帳を取り出した。
「おめぇは相も変わらず期待裏切らねぇよな。」
「どうだったの!?」
「日和ちゃん・・・残念だけど入ってないよ。」
「えー!!」
※すごく残念がっています。
「ヒヨリン、ひでぇよ!」
「残念だわ。折角の貴重なご意見だと思ったのに。」
「俺は感動したんだぞ!」
「何が感動したの?」
目を瞬かせるあたしに突然背後からヌッと肩を抱かれた。
いきなり伸し掛かる重みに体の軸が不安定になって、
フラフラの足がガクンっとバランスを崩した。
「おいおい、どうしたよ?」
伊織君のせいであるよ。
グイっと引っ張られたことによって、
地面とこんにちわせずに済んだものの、
伊織君恐るべくフェロモンパワー炸裂。
「日和ちゃんが見つけてくれたんだって?」
馨君の優しい視線が変わらずに健在していて、
「あたしは大したことしてないさね。
みんな頑張っていたからちゃんとお礼言っておいてね。
マーボとお留守番してるメンバーズもみんなの
帰りを待っている。」
今回は不良メンバーズ総出だったから、
お疲れ様と言いたいところである。
伊織君に最早担がれそうな勢いだ。
お腹に回った手に背筋が凍った。
「じょ、除霊をせねば!!南無阿弥陀仏!!」
※悪寒だと思ってキョロキョロ辺りを見てます。
「フラフラじゃねぇーの。レディーに優しい
伊織君が気にかけてやってるつうのに。」
だったら、フェロモン仕舞ってくれないかな?
やらしさ全開な気がして寒気が収まらないのだが!!

