Hurly-Burly 4【完】


***

said:美男



一時はどうなるかと思った俺らのするべきことを

導いて諭してくれたのはヒヨリンだった。

“一緒に頑張ろう”そう言って俺たちよりも

機敏に動いて真犯人を見つけ出した。

きっと、軸を失った俺たちは何かに頼るしか

なくて、頼りない俺たちに力を貸してくれとも言ってくれた。

「美男、お前たちが動いたのか?」

ユウヤさんがありがとなと言う。

「いや、俺たちは全然・・・ヒヨリンのお陰っす。」

多分、一番惜しみなく頑張っていたのはヒヨリンだろう。

俺たちに指示をしてくれて、尚且つ自分でも動いて

何よりも信じていたのはヒヨリンだ。

「そうっす、ヒヨリン、カッケーことばっか言うんす。」

「俺らだって動揺してたってのにヒヨリンが頼もしく

指示をくれて役に立てたんですよ。」

「今回、一番活躍したのは我らがヒヨリンっす。」

そんなに言うとヒヨリン怒るだろうなって思っていると、

千治さんたちが不思議そうな顔をしてヒヨリンの方を見た。

「真犯人を見つけてくれたのはひーちゃんです。」

もっくんがヒヨリンの方をチラッと見る。

ヒヨリンがサユリンと仲良く喋ってる。

「警察の野郎どもにも格好良く決めてたんで、

何かヒヨリンお疲れ様会でも開こうと」

「アイツ、何やってんだよ馬鹿か。」

慶詩さんが髪を掻きながらヒヨリンを見て、

そっぽを向いて呟いた。

「日和ちゃん、危ないことに首を突っ込まない

ようにって言ったのにな。」

馨さんは参ったなと言わんばかりに困った顔をしていた。

署内から出ると、俺らは自転車を取りに行った。

その後ろでヒヨリンと千治さんたちが話してた。

「や、やぁ!ご気分はどうだね?

青い空を見るのは久しぶりでしょ。」

ヒヨリンの髪が風に靡いた。

「お前、何した?」

千治さんがムスっとしながらヒヨリンを見つめる。

ヒヨリンの苦労はまだまだ続きそうだ。