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アポイントは取ったから後は会って話をする必要が

ありそうだけど、サユ絶対に怒るだろうな。

ただでさえ、仲悪いし・・・先が思いやられる。

バスに乗って西地区に戻って家から離れたバス停

で降りるとサユが困った顔で着いて来た。

「日和、どこ行くつもりなの?」

「うん、サユ今から言うこと怒らないで聞いてくれる?」

「ん?話次第なら。」

本当はこの手を使うのは最終段階までのとっておき

だったし、出来ることなら嫌ではあったけどそうも

言ってられそうにないからサユにも何とか納得して

もらわないと困る。

バス停から歩き出しながら作戦の内容を告げたら、

案の定大噴火だった。

「何で、あんたがそこまでする必要があるのよ!!」

「あたしは前にも言ったでしょ?」

どうしても、力になりたかった。

あたしに出来ることなんてこれぐらいだから、

それでもちゃんと知って欲しかった。

「でも、そんなことしなくたっていいじゃない。」

「ううん、全力で守らなきゃ意味がないよ。

そうじゃないと、また諦めることが癖になってしまう。

それに別に大したことはない。」

「あんた、お人よしね。」

「お前なんて知らねぇと言われた。

それが意外と堪えている。」

嘘だって分かってるけど、そんなこと

言うなと殴ってやりたいさ。

何で勝手な事したのよって全員覚悟してもらいたい。

「はぁ!?あんたにそんなこと言ったの?

許せないっ、血祭りよ!」

「いや、サユ落ち着いて話を聞いてよ。」

「だ、だって、日和を傷つけてただで済むと

思ったらこのあたしが許さないわ。」

「ありがとう、サユ。でも、傷ついてない。

むしろ、そのお陰で火が付いたようなものだし、

それにこの先みんながあたしのこと忘れても

あたしが覚えているからいいんだ。」

その日が来たら謝らなきゃならないのはあたし方だ。

多少はハートの補強工事の建設を進める必要が

どうもありそうだけども、強く生きよう!