Hurly-Burly 4【完】


その日は何ともぐっすり眠って翌日に備えた。

マコ君と田中はあの後すぐに帰った。

サユと修平君も最後に帰ることになった。

兄ちゃんが危ないから送るよと言って

2人に付いて行ったが、意味ない気がする。

兄ちゃんより、修平君とサユの方が強そうだもん。

朝食に昨日のおにぎりをもぐもぐ食べながら、

ふと新聞が目に入った。

連続傷害事件多発犯人確保か?の見出しに

沸騰しながらも事件の概要を洗い直した。

毎日、新聞を取ってたお陰で最近起こった

事件の全ての情報を確保した。

「ひーちゃん、おはよう。」

欠伸をしながらテーブルに座る兄ちゃんに

味噌汁を出すと師匠がおにぎりを見て、

「中身は何やろな。」

楽しそうに中身をほじくっていた。

最初の事件から妙なことが引っ掛かる。

サラリーマンが狙われた最初の事件以外は

全地区の男子校生が襲われてる。

しかも、ここ最近は東地区周辺ばかりを

狙った犯行が多いのに10回目の今回を入れても

全地区で犯行は行われていた。

「ひーさんは何食ってん?」

「梅干ですね。朝からシャッキっとします。」

「そりゃ、アカン!梅干嫌いや。」

師匠、梅干嫌いなんだ。

「元気になるんですよ?」

「好かんのや!」

「ひーちゃん、何か気になることでも見つかった?」

「うん、今まで西地区で事件起こしてないのが

少し変だなと思って。」

10回中最後の1回だけ西地区が狙われた。

そもそも、犯人はみんなに罪を着せたかったとすれば

みんなに恨みを持った人間がわざとそう仕向ける。

敵の本玉は7人のはず、だけど妙に事件の被害者は

少人数でそしてどれも不良とは程遠い。

“俺はそういヤツが一番嫌いだ。”

何か見えてきそうな気がした。

よく考えて、動け、焦らなくたってみんな

ちゃんと待っててくれるよね。

朝ごはんを食べて兄ちゃんを見送ってすぐに、

サユが家を訪ねて来てすぐに捜査開始した。