バッと顔を上げるサユは分かったわと笑みを向けた。
「日和が一度言ったらやめなさいって言ってもやめないでしょ?
あたしはあんたの力になるわ、頑張ろう。」
「サユと日和ちゃんにだけ任せられないよな。」
「俺たちも力を貸すよ。」
持つべきは友だよね!
「ありがとう、人手が多いことには助かるよ。」
「何言ってんのよ。日和がやるって決めたからには
どこにだって着いて行くわよ。」
「サユが居るとかなり頼もしい。」
大丈夫だよ、きっとあたしだけじゃないもん。
みんなが違うって信じてる人はもっと居るんだよ。
だから、絶対に諦めないでね。
ピンポーンとチャイムが鳴って、インターホンに
出ると驚くべき光景が広がっていた。
「日和?」
「とりあえず、味方はたくさん居るみたいだ!」
急いで玄関に足を動かした。
ガチャッと扉を開けると密集した不良メンバーズが
シュンと落ち込みながらも顔を上げた。
「ヒヨリン、俺たち千治さんたちの力になりたいんだ。」
「いつも俺らが助けてもらってばっかりで役に立ちたい
ってずっと思っててこんなことになってどうすりゃいいのか
分からなくてよ。」
「ひーちゃん、知恵を貸して欲しい。」
「「「「ひーちゃん、頼む!!!」」」」
「「「「ヒヨリーンしか思い当たらなかったんだ。」」」」
ここまで、慕われてるってある意味みんな何してるんだか。
駄目じゃないか、不良メンバーズのみんながあたしに頭を
下げに来るってある意味恐ろしいことだよ。
「そんなこと頼まれなくたって力を貸すに決まってる!
絶対に、真犯人捕まえて一緒に帰るのです!!」
「「「「「ひーちゃん(´;ω;`)」」」」」
これだけ必死に頼みに来る不良メンバーズ置いて、
あたしに押し付けるなんて帰ってきたら文句言ってやるわ。
「さぁ、家に入るのです!!」
こんなにイカツイ連中が外にウロウロしてたら
それこそご近所の噂が立ってしまうわ。
「いいの?」
よっちゃんが不味くないかと問うと、
田中がひょこっとリビングから顔を出した。

