普通だったことが懐かしく思うなんて可笑しな話だ。

だけど、そんな日常が嬉しかったんだって今なら

よく分かるもので何だか寂しい。

「普通知らん顔されたなら諦めるだろ。

そんでもう関わろうだなんて思わないんじゃないか?」

村田ティーチャーやけにツッコんでくるな。

「あたしはどうやら普通じゃないらしい。

それにあれが本心だったとは思わないわ。」

もしかしたら、みんなはあたしに助けられたい

とは思ってないだろう。

だけど、あたしは守りたいんだ。

「じゃあ、帰ったら作戦会議だな。

ひーちゃん1人でどうにかしようと思ったら

大間違いだぜ?」

「し、仕方ないから協力させてやっても良い。」

「随分可愛くねぇ言い方だな。」

さっきから可愛くねぇって連発しやがって酷いわ。

何度も言われればそれなりにハートブレイクよ。

「だけど、分かってるよな?犯人に1人で

接触しようとするなよ。」

「アリバイがあるわけじゃねぇんだろ。

だったら、真犯人探すしかアイツ等の疑い

晴らせそうにねぇにしろ危険すぎるな。」

そっか、違うって言っても信じてもらえない。

分かってはいたもののそれってすごく切ない。

あたしの言葉とみんなの言葉では違うのか。

だから、諦めてみんな警察に連れてかれたのかな?

もういいやって思ってしまったのか。

言ってたもんね。

あたしとみんなとでは本当に住む世界違い過ぎるんだって、

痛いほどに思い知らされた。

あたしが傷ついている場合じゃないのにみんなの方が

ずっと傷ついてても可笑しくないはずなのにあたし

気付くのが遅すぎた。

みんなが信じられないって言うのも無理はないよね。

信じてもらえないのだから他の人を信じるなんて

もっと出来るわけないか。

だったら、絶対に証明してやらなきゃならない。

やってないことはやってないって言っていいんだよって、

怖がらずにそう言えばあたしは絶対に信じてやるんだ。

あたしじゃない人だってきっと信じてくれる人は居るんだから。