Hurly-Burly 4【完】


目を覚ますためにも一度ビンタを食らわしてから、

部屋を飛び出して廊下を走った。

早く動け足って思いながらも足を休めることなく

動かして階段を駆け下りる。

校長先生ごめんなさい、今回は廊下を走らせて下さい。

罰ならきちんと受けますから今回は見逃して。

暗い校舎はあまりにも不気味だったのに怖いとは

思えないほど追い詰められていた。

「みんな、待っててお願い!」

祈る思いだった。

神様が居るんだったらこれからの幸運や運は全部

使い果たしたっていい。

だから、間に合って!!

正面玄関の方に薄ら見える人影に息を呑んで、

足を軽快に走らせた。

目の前に広がる光景は予測通りだった。

「はぁ~、しかし、お前らも今回の件は

覚悟を決めておくといい。」

副校長の憎たらしい顔なんてそっちのけだった。

警察の刑事さんなのかスーツを着た若い眼鏡を

かけた人が腕を掴んでいた。

周りに数人の警察に囲まれながら副校長が

ため息を吐いて困った顔をしていた。

「ま、待って下さい!!」

ゲホゲホ咳き込みながら正面玄関にたどり着いた。

「ひ、ヒヨリンっ!?」

「連れてかないで!!」

精一杯の懇願だった。

それしか言葉に出せないほど息が切れていた。

「君は・・生徒は下校するように放送を・・・」

「彼らは無実なのです。あたしが証明をします。

だから、お願いします連れてかないで下さい。」

頭を90度に曲げて最敬礼をした。

「立花さん!!何を言っているんだね。

君は早く帰りなさい。今、相沢先生を呼んで」

「あたしが!!」

「君は事件について何か知っていると言うのかい?」

刑事さんに鋭い視線を向けられて怯んだ。

こんなことで怖がってどうするあたし!

みんなが連れて行かれそうだって言うのよ。

どうにか、証明をして一緒に帰るんだ。

だって、みんなが戻ってくるのを待ってるって決めた。