今日はハートにダメージを与えられすぎだ。

ふと、窓の下を見るとパトカーが見えた。

まさか、学校にパトカーが来るなんて夢にも思わなかった。

「あの、大丈夫かな?」

「ん?」

京君がマグカップにお湯を注いでいた。

「何か、あたしも居るべきだったんじゃないかなって。」

こんなことになるなんて思ってもみなかった。

ただ、ほんの少しの好奇心に負けてサユと校舎裏に

行かなければ良かったのかなと思いつつも事件の

詳細がイマイチ掴みきれていないことに頭を抱えるしかなかった。

「ヒヨリンは、ここに居てくれればいいよ。」

「そ、そういうわけにも!」

「何があったもヒヨリンは動揺せずにここに居ろよなっ?」

「まるで、何かこの後にあるような言い方だな。」

何かが引っ掛かる。

喉に魚の小骨が刺さったような違和感を感じる。

みんなの態度が少し可笑しい気がする。

落ち着け、よく考えれば分からないことじゃない。

今は、少しだけ疲れているのか。

この違和感がただの勘違いで終わればいい。

一通り部屋が片付くと京君が淹れてくれた紅茶を

啜って温まった。

糖分を補給するためにもテーブルの上に置いてあった

クッキーを1つ食べた。

そうさ、考えすぎだわ。何かあるわけない。

だって、今まで平和に過ごしてきたもの。

みんなだって、事件を起こしたりしてないはずだし、

この事件だって警察の人が早く犯人を捕まえてくれる。

テレビに電気をつけると放送が部屋に響き渡った。

『皆さんもご存知かもしれませんが、事件が起こり、

これ以上の部活動等は直ちに切り上げ校舎に居る

生徒も皆下校をするように。くれぐれも帰りは気を

つけるように1人で帰らないようにお願いします。

それから、明日の授業は緊急のため学校自体を閉鎖します。』

えっ、まさか学校を閉鎖!?

でも、病むおえないのかもしれない。

現場の保存や犯人発見の手がかりなど警察が学校に

来てやらなければならないことは多い。

それに、事件が起こってしまったんだ。

明日のニュースにだってなりかねない。

保護者だってきっと不安がる。

犯人が捕まるまで学校閉鎖ってことにもなりかねないわ。