心が砕けてしまいそうだった。

「そんなこと言わないで。」

こんな時さえ、涙は出ない薄情な女だ。

「ヒヨリン、だからね、無理に慣れようと

しなくたっていいんだ。」

「な、慣れるよ!あたし頑張るから見捨てないで!!

頑張って戦力になるように修行に行ってマッスル

ボディーに鍛えてくるから・・・だから、そんなこと言うな。」

「いや、おめぇーこんな時にまで脳みそ溶けちまったのかよ。」

「だって、みんなに捨てられると思ったら・・・」

「・・・・そんなわけねぇだろ。」

「ヒヨリン、俺らのこと嫌いにならないで?」

ナル君の鼻が背骨に当たった。

「むしろ、あたしの方が!!用無しだと思わないで。

絶対にどうにかして役に立ってみせる!」

「だから、どうしてそうなんだよ。」

「日和ちゃんは日和ちゃんのまんまで居てくれれば

それだけで十分だよ。」

「でも、あたし絶対に力になるもん!」

そうやって、一歩ずつ近付いて行きたいの。

きっと、一緒のラインに立てなくてもせめて

傍に居たって証拠だけでも残してあたしから消えないで。

「と、友達絶対にやめてやんないんだからな!」

「上等じゃね~の。精々、友達になっといて

後悔しても知らねぇからな。」

「それは大丈夫だよ!一生後悔なんてするもんか。

みんなと友達になれたことはあたしの誇りだ。」

不良メンバーズみんなもあたしの友人だって

いつまでも忘れずに居る。

だって、幸せな気持ちをたくさん貰った。

いつかそれに見合ったお返しをしたい。

「ヒヨリン、なんつーこと言うんだよ。」

「えっ、ユウヤ?」

「俺は感動してる!!」

「ヒヨリンはやっぱ良いやつだな。」

「ヒヨリン、俺益々好きになったかんな。」

「ナル君っ!?」

こんなところで青春してる場合じゃないような

気がするんだけど、いつになったら救急車と

警察の人が来てくれるんだ!!

早く来ないと被害者の人本当に死んじゃうよ。