伯父様と会うのは数年ぶりぐらいだろうか?

中学生時代に一度会ったような気がするけど、

あまり覚えてないせいか曖昧だ。

メインの料理が運ばれてきて急に伯父様の

顔が深刻そうな表情を作った。

ドキリと心臓が飛び跳ねそうで必死に

心臓を抱きかかえた。

※妄想で抱きかかえてる様子を頭に浮かべてます。

「日和ちゃん、考えは今も昔と一緒なのかな?」

ナイフをカチャリと落として恥ずかしくなった。

慌てて拾おうとするとお店の人がサッと拾って

新しいのを持ってきてくれた。

テーブルマナーって難しい。

頭に入ってるのにいざ実践となると多少パニック

を起こして上手く出来なくなる。

「ごめんね、どうよ」

「すいません、失礼なことしてしまって。

考えは今も昔と変わりません。あたしが

一ノ瀬を次期継ぎます。」

新しくなったナイフに持ち替えてお肉を切る。

「そのことで僕は何度も言ってるけど賛成出来ないよ。」

言われるとは思っていたけど、本当に言われると少し

ハートにトンカチ投げ込まれたみたいな感じだ。

「それは何度も伺ってます。伯父様がお決めに

なることですから私も一つの主張として言ってます。」

「うん、日和ちゃんの気持ちはとても嬉しいんだ。

そう言ってくれる人は中々居ないから心強く思う。

でもね、僕は朝陽をよく知っているし、未依ちゃんが

どういう子なのかもよく分かってるつもりだよ。

日和ちゃんのことも少しぐらいなら分かる。

だからこそきっと、日和ちゃんには向いてないと思うんだ。」

伯父さんはいつもこう言ってあたしの考えを改めさせようと

考えてるみたいだった。

10歳の時に返事をした時も伯父さんは納得しなかった。

小さなあたしの判断力を利用したんじゃないかと

おじいちゃんに訴えてこの話自体をなくそうとしてくれた。

きっと、伯父さんに本当のことを言ったら力になってくれる。

だけど、あたしは・・・ずっと守られたままでいいの?

あの秘書が言ってたみたいにあたしは甘やかされてる。

周りが全て解決しようとしてくれてる。

そのせいで、どれだけの人が痛い思いをしただろう?

それすら、分からないあたしが簡単に口に出して

助けを求めていいのか分からない。