「おいっ、美男手錠持って来い。」
「えっ、ないっすよ。」
伊織君にサタンが君臨なさった。
背後にはブラックキングがげへへと笑っている。
「ひっ、面目ない。この子に罪はないのよ。」
美男、気付けこの鈍感!
もうあたしが折れるしかないのね。
このあたしが折れるなんて無様だ。
なんとしても機会を見つけて逃亡を図ろうではないか。
一時的に諦めてやるさね!
「分かった、ここに居れば良いのだな?」
「何だよ急にしおらしくなって・・・」
伊織君の手がするりと離れる。
「別に気が変わっただけよ。臨機応変に
対応できねば最新の美女にはなれんのだ!」
「まず、お前に美女はなれねぇだろ。」
慶詩の口はいつかどうにかしてやる!
「やっぱり、君は女神だ!!」
「ぎゃああ、触るな変態。」
バシっと平手打ちがナルシストに決まった。
吹き飛ばされたナルシストが床に這いつくばる。
「ヒヨリン、上條がひれ伏すってかなり
すごいことなんだけど・・・・」
「しまった、すまない、つい癖になってしまってる。
ダディが油断を見せるなというのが口癖で・・ごめんなさい。」
あたしとしたことがみんなのお友達を殴ってしまうとは
そういえばこの間もこんなくだりがあったような気も・・。
「ああ、いいんだ。ところで、日和ちゃんゲーム強いんだよね?」
ナルシストが髪型のセットを鏡を出して直している。
「一応、何でも出来るが。」
「じゃあ、レッツトゥギャザーしよう。」
ここで、レッツトゥギャザー出すか。
まぁ、一応冒頭に戻ったわけだがこれでいいのかあたし!
「あの、あたし自分で言うのも何ですが強いですよ!」
「上條さん、マジでヒヨリンっパネっす。」
何だそのバネとやらは!?
「ま、まさかのトランポリン勝負とはお主やりおるな!」
ッチ!!
あたしも騙されたもんだわ。だがしかし、勝てると思ったら
大間違いなんだぞ。
いつの間にかよっちゃんもももっちも不良メンバーズも田中
も混じってゲーム対戦を楽しんでしまった。

