伊織君に手を拘束されたままちぃ君を真っ直ぐ見つめる。
「じゃあ、あたしも聞かせてもらう。
何故今日は頑なに帰してもらえんのだ?」
「質問の答えになってねー。」
「ずっとあたしが聞いてることを無視しているのはそっちじゃない。
いい加減にしなさい!あたしはオモチャでも人形でもないの。
自分のしたいように生きて何が悪いの?こんなのご免よ。」
放せと伊織君を投げ飛ばしてやるつもりだったのを
伊織君に押さえ込まれた。
「やれるもんならやってみろ。俺には禁句言葉だろ~」
「ふ、ふざけるな!レディーの体に傷がついたら
どうしてくれるのよ!!」
「そん時はそん時で貰ってやるよ。」
「なっ何を言うか!」
もう貴様では話にならんのだ!
「ただいま、日和ケン○ッキー買って・・・」
やっと、サユが帰ってきた!
「あんた、どんだけ暴れたのよ。」
悲惨な部屋の状況は誰が見てもどうしたこれと
言わんばかりの散乱具合だった。
「だって、帰してくれない理由を言ってくれないんだよ。」
「何、それあたし聞いてない!」
「サユリちゃんいいところに。」
「日和の食べ物買いに行っといで~って
言ったのは嘘だったのマコ!」
「えっ、嘘じゃないよ。サユ、しばらく
日和ちゃんと一緒に」
「冗談じゃないわ、マコまで共犯だったなんて
誑かしたの誰よ言わなきゃそこを死刑台にしてやるわよ。」
ひぃっ!!そこまで望んでなかった。
「サユ、ちょっとこっち来て。」
「えっ、マコ何するのよ!」
グイグイマコ君にヘッドハンティングされてったサユを
遠目に見て、そろそろ今後の人生に不安が見えてきた。
「ヒヨリン、ほらサユリンが買ってきたフライド
チキンあるし・・・」
「ユウヤ、何隠してんの?」
あんたが一番顔に出るって分かってんだ。
「コラコラ、俺が相手になるって言ってんだろ~」
「こいつでも相手にしてればいいんだ!」
伊織君にさっきもらったばかりのサボテンマッスル
を突きつけてやった。

