レストランに着くと大和さんが店の人と話していて、
こっそりと喋ってたから何を言ってたか分からないけど
すぐに大和さんに再びエスコートしてもらった。
久しぶりに会う伯父さんがどんな顔してたかなって
思い出しながら案内された席に移動すると見知った顔
を見て嬉しくなった。
「おじさ、伯父様!」
ヤバイ、いつもの癖で伯父さんって言いそうになった。
にっこりと笑みを浮かべる伯父様は父さんに似てる。
笑った顔はそっくりなのに全然中身が違う。
父さんは破天荒な人なのに対して伯父様はとっても
上品な人だと思うから余計違うなって思う。
あいざ、ナオのお父さんである一ノ瀬海翔さん。
家の父さんのお兄さんだって聞いてる。
父さんが弟だというのにお兄さんの海翔さんは
全然静かな人だと思う。
まさに、家のお兄ちゃんと兄ちゃんと同じ!
親に似るとはよく聞いたものだけどここまで
似るとさすがにビックリを通り越す。
「日和ちゃん、久し振りだね。相変わらず、朝陽
に良く似ていて可愛いね。」
そして、父さんをすごい可愛がってたらしい。
「あ、ありがとうございます!」
「少し、未依ちゃんにも似てきたかな?
透真や朔夜も元気にしているようだね。
朔夜は仕事が忙しいみたいな噂は聞いたけど、
日本には帰ってこないのかな?」
「えへへ、そうみたいですね。お兄ちゃんは
もう9年帰ってきてないからその内帰りたくなったら
兄ちゃんみたいに帰ってくると思います!」
大和さんがあたしの椅子を引いてくれて、
そこに座るとペコリと頭を下げて大和さんが
下がったのを見て少し不安になるも伯父様は
優しい笑みを浮かべて談笑を進める。
ただ、顔が見たかったんだよねっていう伯父様
の真意が全く読めない。
16の誕生日は刻一刻と迫ってきている。
伯父様はナオのお父さんだけど、一ノ瀬グループ
の社長でもあるわけでこういう場所に来ると余計
その凄さを思い知る。
ナオに似ているけど、意志の強い目は伯父様の
地位を表すように存在する。

