それにしたって、兄ちゃんに本当彼女なんて居るのかね!
「へぇ~、ヒヨリンの兄ちゃん顔はいいもんな。」
「むしろ、顔以外の取り柄があるなら聞きたいものだ。」
見たことがないんだから信じられん。
おまけに電話してるところも見たことない。
会いに行ってる素振りもない。
「あのさ、普通彼女が出来たらどうする?」
「は、はぁ?」
ユウヤ、動揺するな!
「あたし、男じゃないから兄ちゃんの気持ちが
理解出来ないのだ。おまけに付き合った人も
居ないし余計分からない。」
彼女、放置しておいていいのかな。
毎日、ひーちゃんひーちゃん言ってる場合じゃないだろ。
「ねっ、伊織く・・・・君には聞かぬよ。」
「ん?」
ケータイで夜の予約ですか。
何件渡る気なの!!
絶対いつか包丁持った女に刺されるよ。
そしたら、あたし彼の行いならば当然の出来事
でしたと証言するからねおよよ・・・。
「駄目だ、知る術がない。必要以上に構うと
図に乗るんだよな兄ちゃん・・・」
毎日が格闘の日々よ。
でも、兄ちゃん肝心なこといつも言わない。
「別にね、言いたくなきゃ言わなくたっていいの。
でも、もしも兄ちゃんがあたしのことばっかり優先
していたら愛想つかされて捨てられるのがオチだ
と思うんだよね。それは阻止して是非とも結婚させねば!!」
「日和ちゃん、何だかんだ言ってお兄さんのこと
心配してるんだね?」
「と言うよりは、早く妹離れしてくれないかな。
最近うたた寝してると何故か兄ちゃんが横で
寝てたりしてゾッとするんだ。」
気色悪いことこの上ないね。
人が気持ちよく眠ってるところにゾゾゾだ。
「随分、仲がいいよね。」
「いい加減シスコン卒業してくれないかな。」
いつまでも兄ちゃんにひーちゃんと抱きつかれても
あたしが養ってやる気にはならんのだが。

