う~む、困ったわ。

足を組んで頬杖をつきながら1つ悩み事。

「ヒヨリンどうしたんだ?」

ユウヤ、呑気に煎餅齧ってる場合じゃないのよ!

ようやく、あたしの出番ってそんなこと言ってる

場合じゃなかったな。

最近、みんなとの会話減ってると思わないか!!

でもなくて、問題は冬の模試を受けるかどうか。

「日和ちゃんってそういえば将来の夢とかあるの?」

「ない。」

「即答かよ、夢のねぇヤツだな。」

そんなこと言ったって夢を語れる立場じゃないもの。

何れ、一ノ瀬の後継者になって社長になるとでも

言ったら腰抜かすのはそっちよ?

「そういう慶詩こそロマンある話をしたまえ。」

「はぁん?俺は今ロマン語るほど暇してねぇの!」

「ふんっ、ロマンじゃなくてマロンケーキ食べてる

貴様にロマンを語る資格があると思うな!!」

「あ?やんのか、てめぇ、泣かせるのはわけねぇんだぜ?」

「誰が貴様にあたしの美しい涙を見せるか戯けたこと

を言ってる暇があるではないか。」

「ヒヨリン、ちぃーが買ってきたマロンケーキ

食べれないんだ。肉まん買ってこようか?」

「ううん、ナル君いいの。最近無駄遣い

多くて家計のやりくりも多少見直さないと・・

この間貰った中学生のお宅に行く家庭教師

のバイトでもしようかな?」

よくお願いしますと言われるのだよね。

家庭教師だなんてあたしに出来るかしらと

思ったもののバイトという社会経験には興味があった。

中学生ということは修平君と同じ歳ぐらいだし、

近い年齢の方が勉強内容的にも難しくなさそうだ。

「えっ、ヒヨリン、駄目駄目!!」

「うげぇっ」

し、絞め殺される!!

「中学生なんて野蛮なんだよ。」

「えっ、修平君は優しいよ。」

「で、でも、思春期だし反抗期だよ!!」

「それ、ナル君も同じでは?」

そんなに否定するような話かな?

良いお話だと思うんだけどな。

では、止めて置くかな。

折角、ダディが貰ってきてくれたお話だが

今回はご縁がありませんでしたということにするか。