Hurly-Burly 4【完】


「もしさ、ひーちゃんが本当に一ノ瀬継いだりなんか

したら俺抗議デモ行進して迷惑かけるかも・・・」

シュンと活気をなくした彼はソファーに凭れかけた

ままやるせないと言いたげだった。

「お止めするのは今しかありませんね。」

「うん、それ分かってるけど俺なんかが口出したら

ひーちゃん傷つきそうで・・・怖い。」

「珍しいこともあるんですね?」

「ん?俺だって人の子だよ。自信失くすよ。

とくにひーちゃんのことになると回り見えなくなる。

どうにかしてやりたいよ。出来ることなら代わってやりたい。」

「ならば、彼女を止めてあげて下さい。

俺は彼女に意見を述べる立場ではありません。

全て彼女の意志を尊重して彼女を守護します。」

「大和ってどうしてそんなひーちゃんひーちゃんなの?」

「何ですかそれ?」

彼はたまに不思議な言葉を発するようだ。

「いつも、ひーちゃんがどうしたいか聞くじゃん。

大和自身はひーちゃんをどうにかしようと思ったことないの?

男ならあんな可愛いひーちゃん可愛がりたいと思わない?

そしたら、お前の精神尊敬するわ。」

「ありますよ。そりゃ、あれだけ可愛いこと言いますし、

いつだって彼女に頼られたいと意地悪をしたくなります。」

彼女は強情で中々頼ろうとしない。

芯が強いことにこれほど厄介だと思ったことはない。

「うわー、ひーちゃん気付け!魔の手がひーちゃん

を狙っているよ!!」

「シスコンというのも厄介ですね。」

「だけど、可愛いって思ってんなら気持ち分かるだろ?」

「ええ、ですが俺はまだマシな方だと。」

「何それ、俺のひーちゃんへの愛が異常だって言いたいの?」

彼のシスコンを異常じゃないと言うなら世の中可笑しなことになる。

「だって、可愛いんだよ。最近冷たいような気もするけどさ、

あれ照れ隠しでね。」

始まったな、これ話が長くなりそうだ。

親子揃って好きだよな。

「この前だってな、俺がうたた寝をしていたら何故か

ひーちゃんがフローリングで寝てたんだよな。

理由が何とも可愛い話で、俺が寝てると見てたら

眠くなったとか言うんだよ。」

あの、これを異常じゃないという確証を下さい。